ワーキングホリデーでオーストラリアに渡った時、心の中にあったのは、海外生活への漠然とした好奇心だった。タジマ工業に入社し、経営企画の仕事がスタートする時も、ワクワクした気持ちで未知の仕事に就いた。渋谷さんがいま取り組むのは、タジマグループの現状を分析し、変化させる仕事。「今まで誰もやってこなかったこと」に挑む前向きな言葉は、明快で力強い。
海外生活を経て会社員の道へ
高校卒業後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験する。20歳で帰国し、友人の紹介で自動車関連の企業に就職。その後、英語力を活かせる仕事を求めて、タジマ工業に入社した。最初に配属された海外営業部でアジアやアメリカを担当し、海外の代理店への情報発信などを行った渋谷さんは、2020年に部署を異動する。異動先は、経営改善プロジェクト(POT:Project One Tajima)を受けて新設された、経営企画室だった。
「いろんなことを考えるのが好きなタイプなので、異動の話を聞いた時はワクワクしました」と振り返る渋谷さん。少数精鋭の部署で、経営計画や戦略の策定・運用、経営分析など、会社全体の方向性を示す役割を担っている。
ゴールを見据えて前に進む
渋谷さんが意識しているのは、会社が定めるゴールを見据えた業務推進だ。たとえば、タジマグループが掲げる「世界一の刺繍カンパニー」というゴールに到達するために、何を企画し、どのように実行するのか。そのプロセスを考えて施策を進めることに、やりがいを感じている。その中でも特に力を注いできたのが、グループの今後を見据えた新しい仕組みづくりである。「グループ全体でどのように利益を生み出してきたのか、また利益が生まれにくい状況があるとしたら何に原因があるのか。それを把握するために、グループ各社のデータを集めて、見える化を行いました」。そうして可視化されたデータをもとに今、社内で活発な議論が始まっている。
変化点を生み出すために
経営企画室が進める一連の取り組みは、タジマグループが今まで取り組んでこなかったこと。だからこそ、挑む価値があると渋谷さんは言う。時間はかかるかもしれないが、確かに会社を動かす、そうした変化点を生み出しているのだ。「社内の全部署としっかり関わり、支援していきたいと思っています。“支援”と聞くと、後ろからサポートする感じがするかもしれませんが、それだけではなく前に立ってリードすることも重要です。やるべきことはたくさんあると思います」と意気込みを語る。「変える」という意識を持って、会社を支え、自分のやるべきことを実行する。そんな挑戦をこれからも続けていく。
コーポレート部門 経営企画室 渋谷郁人
1993年生まれ
2018年タジマ工業入社
海外営業部でアジアやアメリカを担当した後、
経営改善プロジェクト(POT:Project One Tajima)の
立ち上げを受けて新設された、経営企画室に異動。
経営計画や戦略の策定・運用、経営分析などを幅広く手がける。
趣味は筋トレ。