ものづくりが好き。そう語るまっすぐな姿勢が、すべての仕事に貫かれている。新しい技術に挑む時も、生産工程の不具合解決する時も、それが学びの機会になると考えてきた。経験を積むごとに技術の幅を広げる浅野さんに、仕事のやりがいと技術者としてのこだわりを聞いた。  

「刺繍機を作る会社」への興味

「親がプラモデルを作ることが好きで、自分も一緒に組み立てたりしていました」と、子どもの頃を振り返る浅野さん。高校に進むと、本格的にものづくりへの興味を持つようになった。就職先を決める時に関心を持ったのが、「刺繍機」という未知の製品である。「刺繍をするための機械を作っている会社があることを初めて知り、詳しく調べるうちにこの会社で働いてみたいと思いました」と当時の気持ちを語る。 

入社後、1か月ほどの研修期間を経て、配属されたのが生産1課という部署だ。ここでは部品の組み付け、「テーブル」と呼ばれる土台部分の調整、配線処理などを行っている。 

トラブルも成長のチャンスに

元々、単純なライン作業ではなく、自分の手で製品を組み付ける仕事に興味を持っていた。そんな浅野さんは現在、さまざまな場面でものづくりのやりがいを感じている。「『関わる業務がすべて面白い』と言えるくらい、この仕事が好きです」と話す。 

たとえば、生産工程の不具合などの問題が生じた時。迅速に原因を調べて対応することが求められるが、そうした難しい状況でも浅野さんは前向きさを失わない。「トラブルの対応にあたる中で、今まで分からなかったことが理解できる場面があります。また、品質課など他の部署の方とのつながりも生まれます。レベルアップにつながる機会だと思っています」。 

特殊な製品に携わって感じたこと

浅野さんの印象に残っている業務の一つが、Y2500という特殊な機械の製造に携わったことだ。標準的な製品ではテーブルのサイズが50~70センチほどだが、この製品の場合は2メートルを超える。また、縫い方や生地の押さえ方なども通常の製品とは異なり、難しさを感じる点も多かったという。「特殊な製品ではありましたが、新しい技術を学びながらものづくりをすることに、充実感を覚えました」。 

入社以来、着実に技術を身につけながら成長を続けてきた浅野さん。今は副リーダーの立場で、後輩の指導にも力を注いでいる。活躍の幅を広げながら、ものづくりの奥深い世界を追求しようとしている。 

製造部門 製造部 浅野勇人 

1995年生まれ 
TISMに入社 
生産1課に所属し、3つの班の業務を経験して技術を磨いてきた。 
現在は副リーダーの立場で後輩の指導にも力を注ぐ。 
部署のメンバーは仲が良く、休日に釣りに行くなど 
オフを一緒に楽しむことも多い。