武器は、語学力と自動車整備士時代に培った技術力。自身の強みを活かし、世界中の顧客の課題に向き合う。TQS部(Tajima Quality standard)の中田さんが日々力を注ぐのは、技術サポートだ。ある時取り組んだのは、自動車メーカーのシートサプライヤーに向けた技術提案。縫い方に関する中田さんたちのアイデアが採用され、シートに美しい刺繍が施された車両が完成した。壁を一つひとつ乗り越えた経験が、タジマグループのノウハウとして蓄積されていく。そんな仕事の醍醐味を聞いた。
海外と関わる仕事がしたい
「海外と関わる仕事をして、異文化に触れたい」。そんな願いを持ってタジマ工業にキャリア入社した中田さん。入社して半年経った頃、上司に同行して約3週間トルコを訪れた。それ以来、日本国内と海外を忙しく飛び回る生活を続けている。
中田さんが所属するTQS部 技術サービス課の主な業務は、顧客への技術サポート対応だ。製品に何らかの不具合が生じた時、技術サービス課に問い合わせが来る。その不具合を実機でテストし、解決に必要な部品の手配などを行う。また、新製品のテストや開発業務支援も中田さんたちの重要な仕事で、新製品の技術研修を行うことも多い。「お客様とコミュニケーションを取りながら問題解決に取り組むことに、この仕事のやりがいがあります」と話す。
自動車のシートに刺繍を施す
中田さんの印象に残っているのが、自動車メーカーのシートサプライヤーに向けて技術提案を行った事例だ。車両のシートに刺繍を施すために、タジマの刺繍機が使われることになった。その際に採用されたのが、中田さんたちが提案した刺繍の技術である。今までにないアイデアが認められ、正式に採用された時は大きな手応えを感じた。このように、刺繍に関する技術的な課題を一つひとつ解決する経験が、貴重なノウハウになっていく。
前職で自動車整備士をしていた中田さんにとって、自動車の開発支援は、自身の知識と技術を活かせる場でもある。「ヨーロッパを中心に、自動車のシートや内装に刺繍をするブームが来ています」という今、活躍のフィールドはますます広がろうとしている。
セールスエンジニアをめざす
TQS部のメンバーに求められるのは、製品知識をベースとした柔軟な対応力である。顧客からの要望に対処するだけではなく、そこで得た情報をもとに技術的な提案ができれば、顧客とのつながりを深めるチャンスになる。中田さんがめざすのもそうしたエンジニア像で、「サービスエンジニアよりも一歩踏み込み、商談の場で技術的な面から提案ができるセールスエンジニアをめざしています」と話す。
中田さんが海外出張に行くのは、年に3~4回。一度の出張に2週間ほどかけて、展示会のアテンドや代理店への技術研修、ユーザー工場の巡回などを行う。これからも持ち前の行動力で世界を飛び回り、タジマの技術を普及させていく。
品質・技術管理部門 TQS部 中田健一
1986年生まれ
前職は自動車の整備士。「海外に関わる仕事がしたい」と考え
2015年にタジマ工業に入社した。
技術支援部の一員として、国内外の顧客の
技術的課題にアプローチする。
スポーツやアウトドアを好み、
中田さん主催のバーベキューは社内の恒例行事になっている。