学生時代は映画や写真の撮影に熱中し、卒業後は映画業界で働いていたという異色の経歴の持ち主。台湾から日本に移り住み、29歳でタジマ工業に入社した。 
マーケティング部の余さんが担当しているのは、生産自動化および刺繍パーソナライズを実現するサービス「DG.NET」の拡販である。刺繍のカスタマイズを通して「個」の要望に応えるサービスを、グローバルに普及させる。そんな使命を持って、業務に取り組んでいる。 

台湾の映画業界を経て日本へ

台湾出身の余さんが学生時代に夢中になったのは、映画や写真撮影。大学はマスコミ専攻で、卒業後は映画業界で働き始めた。数社で経験を積んだ後、オーストラリアに留学して英語を学ぶ。その後、28歳から日本で暮らし始め、語学学校に通った。就職活動が始まり、さまざまな会社の面接を受ける中で魅力を感じた会社がタジマ工業だった。 

2015年の入社時に余さんが配属されたのは、マーケティング部のセールスソリューション課である。そこで、刺繍のデザインを作成するためのソフトウェアを扱うことになった。ソフトウェアの開発を手がけるカナダ企業、Pulse社[Pulse社は2022年8月より、タジマのグループ会社TSoft社(Tajima Software Solutions Inc.)となった]とやり取りしながら、不具合の対応などを手がけることになった。

刺繍パーソナライズを実現するために

セールスソリューション課で、ソフトウェアに関わる業務に就いた余さん。しかし当初はITの知識が少なく、ゼロからのスタートになった。「最初はお客様との会話の中に出てくる専門用語が分からず、どうしようかと思いました。分からない単語を自分で調べ、上司や先輩の指導を受けながら少しずつIT知識を身につけていきました」。そうした努力の結果、開発者と専門的な会話ができるようになっていった。 

現在、余さんが取り組んでいるのが、生産自動化および刺繍パーソナライズを実現するサービス「DG.NET」の拡販だ。「DG.NET」は刺繍のオートメーション化を実現するサービスで、アパレル企業などが付加価値の高い刺繍サービスを取り入れることが可能になる。刺繍のパーソナライゼーション(顧客ニーズに応じて最適化すること)を実現するシステムとして、国内外から注目を集めている。

顧客の声を届け、改良につなげる

「欧米市場では近年、刺繍のパーソナライゼーションのニーズが高まっています」という状況の下、「DG.NET」の普及は順調に進んでいる。タジマグループが提供するソフトウェアの領域を拡大し、グローバルに普及させる。そのための取り組みの一つとして、アジア市場への拡販を図ることが、余さんに課せられているミッションだ。

また、顧客からの要望をTSoft社に伝えてシステム改良を推進することも、重要な役割である。「欧米とアジアではお客様のニーズも違うので、『どういう機能が求められているか』をうまく伝える必要があります」。こうした余さんたちの努力が実を結び、最近はアジア市場でも「DG.NET」の認知度が高まりつつあるそうだ。世界の市場が持つ可能性。見据える先には、大きなチャンスが広がっている。 

営業・企画部門 マーケティング部 余俊霆

1986年生まれ 
2015年、タジマ工業入社。 
マーケティング部のセールスソリューション課で、 
刺繍パーソナライズを実現するサービス 
「DG.NET」の拡販に力を注ぐ。 
中国語、英語、日本語の語学スキルを活かして 
海外の顧客や代理店、海外子会社をつなぐ役割を担っている。