AI刺繍機で生産力アップ、刺繍を身近にする店舗も開業

株式会社グラウクス 
傳法孝幸社長 妻の亜美さん


「缶バッジやマグカップ、コースター、枕カバーも作ります」と話すのは、株式会社グラウクス(埼玉県所沢市)の傳法孝幸社長。
2011年の創業以来、オリジナルグッズ製作の下請けをメインに、バッジ加工や昇華転写などの製法を使って様々なグッズを生み出している。そんな株式会社グラウクスが刺繍を始めたのは2015年。傳法社長の妻の亜美さんが機織りなどのものづくりが得意で、「布を活用したグッズ製作をしたい」と刺繍に目をつけたのがきっかけだった。
ビジネスを始めるにあたり選んだ機種は、タジマの単頭機。
マシンを触るのはこれが初めてだったが、「販売店さんの親身なサポートもあり、スムーズに操作できた」と妻の亜美さん。「機械の使い方だけでなく、商品づくりに適した糸選びなど刺繍全般の知識も教わりました。今も分からないことがあればアドバイスをいただけたりと心強いです。」

 

コロナをきっかけに刺繍ビジネスに本格参入

コロナをきっかけに刺繍ビジネスに本格参入。それ以来、タジマの刺繍機を愛用している。
2017年にはコンパクトサイズの1頭8針機「SAI -彩-」を導入。小回りが効くので、ネーム刺繍や小ロット注文など細かい仕事に役立てている。「感覚的に操作できる」とスタッフの間でも人気が高い。刺繍機の導入当初は、ネット通販ショップでネーム刺繍ワッペンの販売を始めるなど、徐々に刺繍グッズの露出を増やしていったが、あくまでもサブ扱い。その頃は缶バッジなど他のグッズ販売がメインで、刺繍は大々的におこなっていなかった。

ところが2020年の新型コロナで状況が一変する。
「多くのイベントが中止に見舞われ、その影響で缶バッジなど関連するグッズの注文がストップ。
売上げは半分にまで落ち込みました。このままでは会社を存続できない、何とかしなければと考えた結果、本格的に刺繍ビジネスに力を入れようと舵を切りました。これまでも刺繍関連はイベントに左右されず売上げを維持できていたので、カテゴリとして有望だろうと思ったのです」(傳法社長)。これを機に個人や法人を問わず、積極的に刺繍関連の仕事を増やし、世間のニーズを感じて刺繍機でオリジナルの布マスクを製作。その後しばらくは毎日マスクを作るほど仕事に追われたが、落ちこんだ分の売上げを補填できた。傳法社長は「当時、刺繍ビジネスをやっていなかったら会社はどうなっていたか」と振り返る。

現在、株式会社グラウクスの工場には単頭機の他、AI刺繍機「TMEZ-KC」の6頭機などを導入して、生産力を強化。ホテルの部屋に使われるタオル類やバスローブへの刺繍、会社のユニフォームへの刺繍をおこなう。注文枚数が多い案件でもスピーディーに生産できるようになった。TMEZシリーズは上糸のテンションを自動調整するAI技術「i-TM」を搭載した刺繍機。傳法社長は「刺繍の作業短縮に役立っている」と高く評価している。「生地の縫い縮みなどのトラブルがなく、効率よく刺繍できます。特にタオルは仕上がりが綺麗。糸切れも少ないですね。刺繍糸は同じ品番でも品質にばらつきが出ることがありますが、TMEZはどんな刺繍糸でも対応してくれます」。

 

シルク印刷十刺繍、お客のニーズに応える

2022年5月、株式会社グラウクスは新たな挑戦として、「刺繍屋Hariii(ハリー)」をオープンした。
ここでは刺繍オーダーの相談やサンプル制作をおこなっている。ハリーを開業した狙いについて聞くと「刺繍をもっと身近なものにしたいと思った」という。

一般消費者にとって刺繍は特殊な世界だ。
「刺繍の名入れをしたいけど価格が分からない」、「何点からグッズが作れるか知りたい」……。
刺繍に興味があっても、情報がオープンにされていないから何も分からない。だから注文に尻込みしてしまう。

商売を続ける中、そういったお客の悩みがあることを感じていた。そこで刺繍専門店のハリーを構えた。店のオープン以来、様々な悩みを持つお客がやってくる。「1点物の刺繍入りウェアを作りたい」、「野球のチームユニフォームが欲しい」など。また、「シルク印刷したTシャツの上に刺繍を施す」といった難しい依頼が来ることもあるが、二つ返事で引き受ける。店には単頭機の「TMEZ-SC」と「SAI -彩-」を設置し、刺繍グッズを製造している。 また、刺繍ビジネスの裾野を広げる場としても店を活用。「SAI -彩-」の販売代理店として、刺繍ビジネスに興味のある業者に向けて実機のデモをはじめた。
「近年は刺繍業者の高齢化が進み、作り手の人口が減少しています。どれだけ一般消費者のニーズがあっても、それを作る工場や店がなければ商売が成り立ちません。刺繍機に触れてもらうことで多くの人に興味を持ってもらえればと思います」(傳法社長)。

※OGBSマガジンVOL.88 2024年1月号 広告企画 転載

 


株式会社グラウクス
〒359-1133 埼玉県所沢市荒幡627-6-A

刺繍屋Hariii(ハリー)
〒 359-1117 埼玉県所沢市有楽町10-6

刺繍屋Hariii 公式Instagram

 

おすすめ機種