ワニのマークでお馴染みのフランス発ブランド、LACOSTE(ラコステ)。
東京・原宿エリアにある「Lacoste Harajuku」やオンラインサイトで提供中の「MY LACOSTE」では、タジマの刺繍機を活用し、様々なカスタマイズサービスを展開しています。今回は、タジマを選んだ理由やお客様からの評判、今後の展望についてお話を聞きました。
原宿の店舗から、世界に誇るカスタマイズサービスを。
株式会社ラコステ ジャパン
Senior Director , Omnichannel 相城 浩志
Omni Channel Sr. Coordinator e-Commerce 内⽥ 万莉子
Store General Manager, Lacoste Harajuku Area Manager 印牧 啓
LACOSTE(ラコステ)
1933年にフランスで設立されたアパレルブランド。世界中の幅広い年代から愛される「ポロシャツ」をはじめ、メンズ、ウィメンズ、ファッション小物など、多様なアイテムを扱う。2023年12月にオープンした国内の旗艦店「Lacoste Harajuku」とオンラインサイト内「MY LACOSTE」にて、カスタマイズサービスを展開中。
新たな店舗体験の創出を目指して
――「Lacoste Harajuku」は、どんな店舗なのでしょうか。
グローバルの中でも重要な旗艦店として、2023年12月にオープンしました。20〜30代の若い世代をターゲットに、ラコステの新たなブランドイメージを醸成するべく、他店にない様々な取り組みを展開しています。たとえば、世界で初めてカフェを併設していたり、週末にはミュージックフェスを開催したり、古着を販売したり。オリジナルワッペンをその場で刺繍するカスタマイズサービスも、その一つです。“ここに来たら、必ず新しいものと出会える”、そう思っていただける店舗を目指しています。
――「Lacoste Harajuku」にカスタマイズサービスを取り入れようと思ったきっかけを教えてください。
もともとラコステでは、3か国に自社工場を持っているという強みを活かして、フランスを中心にアイテムを自分好みにカスタムできるサービスを展開していました。
そんな事例を踏まえ「Lacoste Harajuku」では、店舗に刺繍加工ができる環境を整えることで、来店当日にアイテムを持ち帰れたり、加工の様子を見学できたりといった、新しい体験を創出できると考えたのです。
──タジマの刺繍機を選んだ理由を教えてください。
フランスで使われているのは他社の刺繍機なのですが、実験的にタジマの刺繍機を導入しているところがあり、比較検討したんです。そんな中、タジマの刺繍機で驚いたのは、様々なアイテムにいろんな刺繍が入れられること。フランスやイギリスではポロシャツにしか刺繍加工は行っておらず、また、名前などの簡単な刺繍しか承っていないのですが、タジマの刺繍機であれば、Tシャツやスウェットなどのアイテムにも刺繍を施せるだけでなく、刺繍表現もぐっと広がる。私たちが目指す、新しい店舗体験の創出にもつながると確信しました。
また、もう一つの決め手は、ワンストップソリューション。
素晴らしいハードだけでなく、ソフトウェア開発も同時に手掛けていることから、自社工場の連携や店舗での運用などもまとめて相談できるのも大きな魅力でしたね。
国内外のお客様から、多くの喜びの声
──カスタマイズサービスに対するお客様の反応はいかがでしょうか。
完成したオリジナルアイテムをお渡しすると、すごく喜んでいただけますね。
とくに人気の刺繍はお名前やイニシャルですが、原宿という立地的にインバウンドのお客様も多く、「Tokyo」や「Harajuku」の文字を入れられる方も。また、カップルで来店されてお揃いの刺繍を入れる方もいらっしゃいますね。
偶然立ち寄っていただいたお客様がサービスを知って、その場で体験いただくことも多く、ここでしか体験できないサービスに価値を感じていただけているのだと思います。
他国に比べ、自由度の高いカスタマイズを可能に
──「Lacoste Harajuku」に先駆け、2023年9月にはオンラインでのカスタマイズサービス「MY LACOSTE」もスタートしました。
ここでも、タジマの刺繍機が活躍しているそうですね。
フランスでもオンラインのカスタマイズサービスは行っているのですが、日本で「MY LACOSTE」をスタートするにあたって、実はサービス内容を変えているんです。刺繍できる文字数を増やしたり、カスタマイズできる範囲を広げたり。その分、製造は大変になるのですが、これもタジマの刺繍機があるからこそ。サイトでのオーダーから刺繍機へのデータ転送まで一貫して行えるため、1日に何十件もの刺繍加工をスピーディに行えています。
──オンラインサイトの構築でこだわったポイントはありますか?
このサイトも、タジマのシステムを活用させていただいているのですが、ユーザビリティにこだわって制作しています。たとえば、ボタンを押すだけで仕上がりイメージが画面に映し出されるようになっているのですが、サイトの動きが遅いと使いづらいし、リアリティも欠かせません。「思っていたのと違う」とならないように、3Dでイメージを表示できるのはうれしいですね。
日本での好事例を、グローバルへ展開
──オンラインや店舗でのカスタマイズサービスについて、どんな成果が出ていますか?
オンラインでのカスタマイズサービスは昨年9月にスタートしたのですが、1年間で約700万円もの売り上げにつながっています。
また日本において、カスタマイズサービスを利用するお客様の割合は15〜16%なのですが、グローバル全体では1.5%にとどまっており、なんと日本が圧倒的。他国から「どんな取り組みをやっているんだ?」と質問されるほど好調なため、現在、日本の事例を横展開していけるように動いているところです。
──カスタマイズするニーズは、将来さらに増えると予想しますか? 今後の展望を教えてください。
日本人の特徴かもしれないのですが、他国に比べ、特別なものやオリジナリティのあるものを大切にする傾向があると感じています。その点、カスタマイズサービスのニーズはさらに高まっていくと思いますね。
また、当社のカスタマイズサービスって、他ブランドに比べて実はスタートが遅いんです。だからこそ、日本国内に自社工場があって、日本で加工しているという「MADE IN JAPAN」で差別化を図る必要があった。それが、結果的にグローバル市場における競争力にもなっているのだと思います。
今まさに「Lacoste Harajuku」での取り組みを香港でも実施しようとしているのですが、同じタジマの刺繍機を導入しようと動いている最中です。
今後も、タジマの皆さんの力を借りながら、グローバルへの横展開や新たな顧客体験の創出に挑戦していきたいですね。